だるま窯

だるま窯

もっと多くの方に知ってもらいたい伝統製法

本物の日本の屋根づくり

当組合は、富岡製糸場の瓦屋根の保全を任されておりますが、近年では瓦の需要も減り、
さらに瓦の製造過程も簡素化や機械化が進んでおります。
しかし、「だるま窯」によって手間暇かけてつくられた瓦は、「力強さ」や「味わい」が大きくことなります。
私達は、瓦の文化と技術を守り、昔からの日本の伝統的な瓦の製法によってつくられた瓦屋根が存続していくことが、本物の家づくりにつながるものだと考えております。
常に窯を動かし続けることが困難な状況もありますが、窯に火を入れ、伝統文化・技術の維持を行っております。

瓦の魅力の再認識と多くの人にその魅力と価値を知ってもらいたいと、瓦に関係する様々な取り組みと発信を行なっております。

だるま窯で焼くいぶし瓦

伝統製法へのこだわり

私達の瓦の多くは、だるま窯によって、昔ながらの製法で焼いております。
「だるま窯で焼いたいぶし瓦の屋根は空が映る」という人がいるくらい、
手間も時間もかけてつくられた瓦は美しく仕上がります。
さらに、耐久性にもすぐれ、30年は持つと言われています。
そんな瓦の魅力を多くの方に知っていただき、伝統文化を継承し続けています。

だるま窯とは?

だるま窯で瓦を焼こう

だるま窯は500年も昔、16世紀の始め頃に登場した、「いぶし瓦」をつくる土の窯のことです。
まるでだるまさんが座禅を組んでいるように見えることから名前がついた、と言われています。
富岡製糸場建設にあたり、その全ての瓦を焼いたのが「だるま窯」ですが、今使われている瓦のほとんどは、機械化された窯で焼いています。この窯は焼きムラのない瓦が失敗なく焼けますが、「だるま窯」で焼いた瓦とは、力強さや味わいが大きくことなり、私達は昔ながらの製法にこだわり続けております。

現代に甦るだるま窯

現在火を入れているのは、全国でわずか3基

だるま窯は、日本全国を探しても残っている窯はごくわずか。
つくり方の本などありませんでしたが、甘楽町ふるさと館にだるま窯が2006年に復元することができました。

窯の大きさは、長い方で6.2メートル、短い方で3.2メートル、
高さは2.85メートルあります。
一度に950枚の瓦が焼けるだるま窯です。
2007年5月12日にみなさんにお披露目しました。

だるま窯ができるまで

4.火が抜ける道をつくる

火がスムーズに上り、
瓦を安定してのせられるように、
焼成室の土台をつくります。
耐火煉瓦は峠をまたぐように
20センチメートル間隔で積んでいきます。
まわりの壁もつくり始めます。

5.窯の壁を積み上げていく

まわりの壁をつくっていきます。
古い瓦と粘土を交互に積み重ねます。

窯は楕円形なので、瓦や煉瓦はカーブに合わせ削ったりしながらつくっていきます。

6.焼成室をつくる

焼成室の上の部分には、
30センチ×21センチで厚み6〜5.4センチメートルの、
このために特別につくった耐火煉瓦を使います。
この煉瓦を積んで粘土を塗ると、
火が抜けていく穴が模様のように見えます。

7.壁を丸く閉じていく

まわりの壁が大人のひざくらいの高さになったら、そこからは内側に向かって丸くカーブさせます。
そのため、瓦を荒縄で引張りながら一枚ずつせり出していきます。
これは、伊藤さんならではの職人技です。

8.焼成室を覆い、焚き口をつくる

焼成室の天井は、木でつくった枠を使って耐火煉瓦で積み上げます。
燃焼室の焚き口も耐火煉瓦でつくります。
だんだん窯の形になってきました。

9.「火を入れて、粘土を塗る」をくりかえす

形ができたら
30センチ×21センチで厚み6〜5.4センチメートルの、
このために特別につくった耐火煉瓦を使います。
この煉瓦を積んで粘土を塗ると、
火が抜けていく穴が模様のように見えます。

出典
瓦の本Vol.1 だるま窯ができた
2009年2月5日 第1刷発行

発行者
新屋根開拓集団 屋根舞台
©shinyanekaitakushudan YANEBUTAI

発行
屋根舞台『瓦の本』制作委員会
〒370-2212 群馬県甘楽郡甘楽町福島 1377
電話 0274-74-7701

制作
企画/小林保 徳井正樹 小林浩志 中野照子
写真/小林浩志
イラスト/河合睦子
デザイン/スパイラル
編集・文/中野照子

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